実際にバー経営をした観点から生活できるレベルの利益と売上げを考えてみた

≫ 前回のバーの経営ってぶっちゃけ儲かるのか?

上の記事の続きでお伝えしていきます。

 

バーはカッコいいイメージですが廃業するお店も後を絶たない。

おそらく開業しやすい、カッコいいからはじめていみたい。

安易な気持ちでやる方が多いからだと思います。

 

それでも1杯のカクテル、男性で一番人気のカクルテ、ジントニックを例にあげるなら作る量や氷、お酒によって原価が前後しますが、大体60円~200円で作る事が可能です。

これがどんどん売れてくれれば儲かると思いますし、実際にはじめる方もどんどん売って利益を出したいと思っていると思います。

  • 今回は実際のどれくらいの売上で生活していけるのか?
  • 最低これだけの売上があれば生活出来るのか?
  • チャージなど発生しているお店の原価率はどれくらいなのか?

私がバーを経営している経験を含めてもう少し詳しくお伝えしていきます。

1.毎月40万円の売上でも自分の取り分15万円

1か月40万円の売上を出すためには25日営業で約16,000円、客単価3000円の場合は平均5~6人で達成します。

 

まずはバーの固定費からお伝えしていきます。

もちろんその場所での家賃や水道料金が別途で固定費だったり使う電気(200V)によって多少前後します。

200Vはエアコンや大型冷蔵庫に使ったりします。

200Vを使用すると基本料金が別で発生(家庭でも使用している100Vと200V)、計2つの基本料金が発生します。

 

電気代ですが9坪のお店で1か月15000円で済む場合もありましたし、同じ坪数で倍の3万円以上掛かるお店もあります。

家賃ですが安い場所では月5万円から高い所でも20万以内、特にはじめて飲食店を経営する方は20万円以上の家賃の所で開業しないことをお勧めします。

まずは1店舗で利益を出して大きなお店でも利益が出せる自信がついてから家賃の高い場所ではじめるでも遅くはないです。

今回は間をとって家賃10万円とします。

ちなみにバーだと水道代は2か月で4000円位、基本料金で収まるはずです。

 

単価や提供する料理にもよりますが、1杯700円からのお酒の値段で料理は乾きものだけでしたら1か月150万円の売り上げでも水道代は基本料金位に収まると思います。

古い建物で水道代がビル一括で請求されて、個別に大家さんから請求される場合は異常に高い事があるので是非参考にしていただけたらと思います。

実際水道代が2か月に1万円位と予想できるのに実際は3万円~4万円請求された時期がありました。

 

ガス代は都市ガスやプロパンガスによって値段が変わります。

日本では65%が都市ガス、34%がプロパンガス、残り1パーセントはオール電化にと言われています。

プロパンガスより都市ガスの方が安い傾向があります。

バーではほとんどガスを使わないと思いますが、2017年にガズの自由化がスタートしました。

少しでもガスを安くしたい場合は都内なら東京ガス→ニチガスなどに変更すれば約5%安くなると言われています。

 

電気代はもうほとんどの人が安くなる方法を知っていると思うので省略します。

バーをはじめる時にはじめにお酒の種類を揃えるのにお店によって100万円以上掛かったりします。

単価の高いお店、1杯700円以上で提供するお店だったらグラスにもこだわる必要があります。

居抜きで残っていればいいのですがおそらく買う必要があります。

1つ1000円以上するグラスを使うとこれもまた結構な金額になります。

 

居酒屋経営ではほとんど協賛でクラスは対応出来るのですが、バーの場合はなかなか協賛だけでは厳しいと思います。

あとは酒屋から協賛してもらう方法もあります。

5万位グラス代が掛かると思っておきましょう。

 

おしぼりですが、レンタルする場合と紙の使い捨ての場合があります。

ここ近年、使い捨てのおしぼりでも大きく高級感があるものが増えてきたので好みで決めればよいと思います。

レンタルの場合は業者によって変わりますが、色付きのおしぼりが一般的に安く、白のおしぼりが高め、そして肌ざわり大きさによって値段が変わってきます。

毎月5000円~1万円位に収まります。

 

お酒の原価ですが、以前利益率の高いお酒について記事を書きました。

まだ見ていない方は一度見ていただけたと思います。

≫ 居酒屋経営で利益率の高いお酒6種を解説

 

バーなのでカクテルやウイスキーをメインに原価をお伝えしていきます。

先ほどカクテルのジントニックをお伝えしましたが作り方として氷入れてジン45cc(45円~90円)、生のライム⅙(約20円)を入れて、トニックウォーター(200cc約70円)を入れて完成。

カクテルの作る原価は使うスピリッツやリキュールによって変わりますが1杯700円で提供するお店だったら原価150円として約21%。

 

ウイスキーですが安価でメジャーなバーボンだとジムビームやアーリータイムスがあります。

ウイスキーはアルコールが高めの40度の物がほとんどなのでシングルで30cc使うお店が多いです。

よって700ccのウイスキーを1200円で仕入れた場合、1杯30cc使用で約40円の原価率になります。700円で売れば原価約6%。

高いウイスキー、例えばバランタイン17年は700ccで5,000円で仕入れる事が可能。30cc使用で原価約170円。

そこでチャージ1人500円取ればおそらく原価率は10%から15%位になると思います。

 

ここで損益分岐点を計算すると売上60万円から家賃10万円、水道光熱費3万円、仕入原価15%として9万円。

雑費など2万円として営業利益36万円。

税金などの急な出費を月6万円積み立てして自分の取り分を30万円取ることが可能です。

 

数字だけみれば凄く簡単に儲けれそうと思います。

25日営業で1日24,000円の売上で月60万円が達成。

1日24,000円ということは客単価3,000円だと1日平均8人で問題ありません。

1日8人のお客様にきてもらう為には私が今までお伝えした記事を確認してやっていただければ達成可能です。

 

オープン当初はおそらく厳しくなり、1か月40万円の売上(1日16,000円の売上)でも約15万円は自分の取り分が残ります。

簡単に儲かると思った方は次の注意点、なぜ閉店に追い込まれるかについてお伝えしていきます。

2.内装や家賃の高い物件、借入返済

今まで1店舗目は居抜き物件で借金は極力しない方法をお勧めしていますが、それを守れなく借入してカッコいいお店をオープン。

ほとんどのお店が閉店に追い込まれます。

売上が予想より下回ってしまった場合は借金の返済で自分の取り分、給与が出せなくて結果閉店に追い込まれるという事です。

 

だったら開業前に借金しないと決めて、実際に借金しない居抜き物件を探し続ければ閉店に追い込まれる可能性は限りなく減らせます。

あとは家賃が高い物件では開業しない。

先ほど家賃10万円と伝えましたがそれが家賃20万円でしたら損益分岐点の金額、ハードルがだいぶ高くなります。

そしてお店が広くなれば自分以外のスタッフが必要になる事があります。

 

狭いお店はかっこ悪い、友達にも馬鹿にされるからちょっとでも広いお店、家賃が高めのお店にしたくなる気持ちも分かりますが、5坪位のカウンター8席のお店でも十分に利益を出せます。

1日平均8人の来店で毎月の給与、取り分が月々30万円に達成するのです。

ちょっと頑張って平均12人になれば給与、取り分が50万円になるのです。

人も雇える余裕も出来ますしそもそも5坪のカウンターのお店でしたら1人でも楽に回せます。

 

ここまでの話を聞くと、大きいお店、10坪以上のお店、家賃20万円以上のお店に決める、開業する必要は全くないと分かっていただけたらと思います。

しかしいざ5坪の小さなお店にするには狭くて笑われそう…と思った方。

  1. 無理して借入して立派お店を経営してジリ貧でいつの間にか廃業で笑われる
  2. 小さなお店で無借金、余裕をもっての営業で自分の取り分を15万円、30万円、50万円とコツコツ上げていく

どちらがいいでしょうか?

 

なのでまずは5坪の小さなお店で成功して次に大きなお店に移転する事も可能ですし、利益を出してからでも全く遅くはないです。

ちなみに私の話ですが小さなお店で利益を出して調子にのって大きなお店を出店して損失を出しました。

小さなお店と大きなお店で利益を出す方法は基本は同じですが戦略変わってくるので、もし小さなお店で成功した方は調子にのって大きく損失を出さないように注意しましょう。

3.出店費用

出店費用ですが今回のお店の規模でしら家賃10万円。

保証金6か月で60万円。

不動産契約手数料1か月10万円。

居抜き譲渡金50万円。

初期のお酒やグラスなど仕入100万円。

合計230万円で開業可能です。

 

もちろん場所によってもっと安い家賃もありますし保証金が3か月と少ないお店もありますし、お酒の種類など減らせば100万円代で開業可能です。

何かあった場合も含めて300万円あれば可能ということです。

小さいお店のバー経営は大儲けを狙う事は厳しいかもしれませんがコツコツと少しずつ稼ぎたい方には凄くお勧めです。

是非参考にしていただけたらと思います。

まとめ

小さいお店のバー経営は借入をせずに初期費用を抑えれば廃業する可能性は限りなく減らせる。

売上を伸ばし続ける努力をしないと給与は上がらないので今までの記事を見て学び実践する必要がある。

開業時に笑われてもよい位、プライドを捨てシビアに開業出来れば将来は笑ってられる。

1 個のコメント

  • 10年ほどバーを経営しています。
    こちらの記事の原価率などは大分甘めに書かれているので実際に経営していこうと思えばもう少しシビアに考える必要があると思ったのでコメントを残しました。
    この記事のように甘い考えでやると失敗することもあると思うので参考にするのはいいと思いますが実際にやる場合はもうそこし考えたほうがいいかとも思います。
    例えばバランタインの原価は並行品でしたらその値段で入りますが正規品は全然値段が変わってきます。
    また、氷代や炭酸などの割りものも必要になります。
    郡は製氷機のものを使う方法もあるかとは思いますが製氷機の氷を使ったジントニックに700円は出したいと思うかと言われると正直微妙です。

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